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2009年11月01日

異界皇子 第5章  三者三様

 沢口菜々美のその後 (彼氏「ユキノリ」へのメールを脚色)

 今日、家へ帰ってドレッサーで自分カオ見たら、5か所もひっかき傷できてた。
 オヤジからは「男がらみか?」って尋かれるし。マジムカついた〜。
 これじゃオヨメに行けないよ〜。グスン 泣)
 智美、未知、芳香、秋絵はどーしてんだろ。
 女子は私だけがクルマに乗れたからね〜。
 それにしても、どうして今日に限って猫どもが襲ってきたのだろ〜。
 わかんないよ。
 ノリちゃん、傷はどう?
 また愛しあおーね揺れるハート

 ノリの返信

 ちーいす。どうだ、傷の具合。
 猫どもがあんなに恐ろしいとは正直、思わなかった。
 タカもケンジもカツも相当痛がってた。
 傷口からバイキンが入って死んだらシャレになんね〜。
 消毒液はいちおー塗っといたけどさ。
 ああ、セックスしてぇ。バックで。
 でもTVじゃ外出禁止だってさ。
 こんな夜はオナニーでもすっかな。

 その後しばらく、二人の通信は途絶えることになる。


 奥津隆正(数学)のその後

 呼び鈴が鳴った。
 「宅配便です」
 その日は、市内中心部で騒乱があり、つい10分前に戒厳令が出ていたにもかかわらず。
 いつもは細君にまかせているのだが、隆正は自分で玄関まで行き、カギとチェーンロックとを解いた。
 「こんな時間まで、ご苦労なことですな」
 バーコード頭に手をやりながら皮肉まじりに相手に投げかけると、その“ニコチャンマーク便”の男は、いきなり持ってきた細長い荷物を開封しはじめた。
 みぞおちの下に激痛が走った。
 男がこちらを刺したからであった。
 目を覚ますと、どこかわからないが、殺風景な場所にいた。
 両手を見た。
 すると、薄緑色にウロコのついた、へんてこな様子だった。
 「俺はどうしちまったんだ〜」
 彼の叫びは、足元が泥、周囲が枯れ木と枯野のどんよりとした雲の下でむなしく反響した。

 ショートショート 完
 アイデアを公募しましたが、応募なきため、作者が書きました。
posted by はむじの書斎 at 16:16| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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