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2009年08月31日

訣別! 自民党政治

 政権が交代しました。
 それは同時に利益誘導の古めかしい政治への訣別です。
 家 を建てたとします。
 外壁や内装を直すことはあっても、「基礎」まで手をつけることはありません。日本の経済状況がまさにこれです。地域間格差はあっても、インフラは充分整備されています。
 逆にこれ以上自然に手をつけると、海は死に、ゲリラ豪雨による被害が拡大します。
 金丸という自民党の最高権力者がいました。彼のやったのが典型的な利益誘導政治です。リニアの実験線を山梨に持ってきました。それでも実現していないのが、リニア新幹線なのだよ。
 超電導で首都圏と地方の交通アクセスをいくら時短したって、お天道様には敵わないっての。
 金丸は今ごろ、三途の川の河川改修をやっていることでしょう。
 そして衆愚政治を影から操ってきたのが、霞が関の官僚どもです。
 偏差値教育に裏打ちされた頭脳を駆使して、減点主義のシステムで息をし、定年前に天下りして大金をせしめる。
 その財源が国民の血税から出ていることを知っているのか!
 いい気になっている連中にはこの際、退場してもらいましょう。
 伊東美咲という女優が結婚するということです。
 kyourakuというパチンコメーカーの御曹司と。
 それへの恨みつらみは「閉塞感の打破」〜アディクションに掲載していますので、ごらん下さい。
 容姿が優れている、とか、特殊な能力があるとかは一見ちやほやされますが、大したことはありません。   大切なのは「生きる才能」です。
ラベル:経済の素人
posted by はむじの書斎 at 17:48| Comment(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月30日

異界皇子 第3章  反撃

 週明けの月曜日、鳩の森中・始業式当日。
 綾は個人的にクラス替えを待ちのぞんでいたが、希望は残念ながらかなわず、二年とほぼ同じ顔ぶれになった。担任はまたも奥津であった。
 綾のみならず、新学年になったクラスの半分以上がブーイングをしていた。といっても、ほとんどが心の中でだ。そのクラスで彼女と仲のよい友達はいなくなっていた。
 きのう、母は娘のことを気遣っていた。
 「綾、ほんとうにだいじょうぶ?」
 「平気よ、新しい友達もいるし」
 「秋絵ちゃんと仲直りしたの?」
 「アキとはまだ…、だけど味方ができたの」
 綾の確信に満ちた答えに、納得がいかぬ様子の里子。
 「初耳ね、…誰?」
 「えへへ、ヒミツよ」
 しばらく目にしなかったわが子の笑顔に、本来は喜ぶはずが、母は逆に不審にかられた。
 (まさかあの猫? そんなはずないわ、猫は猫よ、慰めにはなるでしょうけど…)
 綾は全校生徒の集まった体育館から、三年三組のクラスメイトたちと新しい教室に戻ったのだった。“キムタク命”と彫られてある机についた。
 転校生がふたり、新たに加わった。奥津のとなりで女子ひとり、男子ひとりが軽く自己紹介する。女子はともかく、男子のほうはジャニーズ系の美形だった。
 学級の男子は羨望の、女子の大半はうっとりしたような視線を送った。
 「館林純一」、名前のほうもカッコよかった。
 当の綾はちらと見ただけだ。すぐに下を向いてしまったが、心臓は(トッ、トッ)と高鳴りだす。彼はとなりの空席に来たものだ。彼女は本心を悟られまいと、ますます下を向いた。
 「中学校最後の一年になった。みんなは次をめざし、さらにがんばってほしい」
 このような趣旨のことを担任はしゃべった。いつもと変わらず、勉強重視の内容である。
 その奥津も教室を出て、今日はこれで終わり。男子女子仲のよい者どうしで連れだって、またはひとりで、クラスメイトたちが思い思いのかたちで帰ってゆく。アキは視線ひとつ合わせようとせず、石倉芳香らもすでに弾けるように出ていった。その時、思いがけぬ相手から声がかかった。
 「これ、君の?」
 あこがれの彼、館林君だった。頬がぽっと染まる綾。彼の指先に、アイドルタレントの写真入りロケットがあった。
 「落ちてたよ」
 「ど、どうも…」
 満足な感謝も言えず、綾もまた火がついたように教室を出た。
 下足入れロッカーまで出てきて、外靴に替える。すると、
 「ちょっと待った。私たちをお忘れ? ボヤ」
 忘れようとしてもそうさせてくれないグループがロッカーの陰から出現した。
 新顔もひとり、三人組の垣根から登場したのは桧原秋絵だった。少女隊はいつの間に四人に戻ったのか。
 「あんた、一ヵ月半以上も学校休んだことをいいことに、“会費”納めてないんだって?」
 絶交状態は向こうから一方的に、意外な形で終わった。
 「あら、そう、そんなものがあったっけ」
 四人はぽかんと口をあけた。いつもと勝手が違う綾にどぎまぎしたのだ。
 「な、何だとう、……どこでそんな口のききかたを習ったんだ」
 佐々木智美が声を荒げた。
 そんなやりとりは周りの生徒たちにも充分届いている   はず、だったが、全員知らんぷりだ。
 石倉芳香が綾に、こすれ合うほど顔を近づけた。
 「お前、自分が誰だか忘れたのか。バッくれてもだめよ。ひどいことになる前に明日、三万持ってきな」
 獲物に食らいつく蛇のような眼ですごまれる。いつもならここですごすご相手の言いなりになる綾である。だが、またしても少女隊の目算ははずれるのだ。
 「私なんかから取るんじゃなくて、自分たちで働いて稼いだらどうなの。そうすればお金のありがたみもすこしはわかるんじゃない? そうよね、アキ」
 四人組は唖然となった。秋絵は心当たりをずばりと指摘され、突然視界を閉ざされたようになった。
 綾は平然と外靴をひっかけて彼女たちに背を向け、さっさと帰った。
 「あの野郎、何をえらそうに! おぼえてろ、今に私たちに盾ついた礼をたっぷりとくれてやる」
 芳香ら少女隊は豆鉄砲をくらった猿のような表情で、小さくなる綾の後ろ姿を恨めしげに見送った。
ラベル:美形男子 少女隊
posted by はむじの書斎 at 20:20| Comment(0) | エンタメ・小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月29日

異界皇子 第3章  飼い猫

 「どこでひろってきたの? その汚い猫、逃がしてやんなさい」
 「わー、猫だ。でもお姉ちゃん、このマンションで犬と猫は飼えないよ。知ってた?」
 「父さんは猫はきらいだ、さっさとどこかにすててきなさい」
 買い物、塾、ゴルフ練習場からそれぞれ帰ってきた家族の言い分だ。
 三人は綾が重大な人生の転機に立たされていたことを知る由もない。
 「いやだ、絶対飼うんだ」
 涙交じりに主張する娘、姉を、三人はそれぞれ不思議に思ったものだ。そしてついに綾は「夏まで」という期限つきで許しをえた。
 「こいつが人間の家族ってやつか、爺から聞いてたけど、全員ただのおせっかい焼きじゃねえか」
 タオルの敷かれた段ボールの小箱から、仔猫の首をのばす閻浮であった。
 その夜、以前獅子であった格闘技のプロは、人間の小娘に抱かれて寝るという栄誉に浴した。ぬいぐるみに囲まれたベッドの上で、顔をなでまわしながら彼女は話しかけてきた。
 「どういう名前がいいかしら、“トラ”じゃ単純だし、命の恩人だから“オンジン”だと、おかしくなちゃうし…」
 目覚まし時計の短針は12のところを回っている。
 「オレにはきちんとした名前がある。閻浮だ」
 「……?!」
 ミャアと鳴くのではなく、仔猫は確かにそう告げた。いや、頭に直接ひびいてきたのだ。
 「あなた、ほんとうは何者? どこから来たの?」
 初めからそう思うのが当然であったが、出会いが出会いだっただけに、質問が今になった。
 「この世界に来たいきさつは少しょうこみいってるがよ。オレはあちらから遣わされたんだ。あるババアの野望を打ちくだくためにな。だが、この身体じゃたいして動けそうにもない、どこかに死にかけた人間とかいればなあ」
 三秒半ほど考えて、綾はある人物にいきあたったが、青山先生は大事な人だ。まだ得体の知れない、この仔猫の中身に紹介できなかった。彼女は話題をすり替えた。
 「あなたが住んでいた世界はどんなの」
 猫はちらと、あまり目鼻立ちがととのっているとはいえない顔を見た。しかし、畜生界の観点からすれば、別にどうこうさわぐほど彼女は「ブス」ではなかった。
 「そうだな、憎たらしい皇太后がいてよ、半分以上は砂漠で、へまをすればすぐに殺されるおっかない場所だよ。だけどな、それをいけない、変えてやろうと思う者もいる」
 「私もおんなじようなものよ。ひどくいじめられて、だから屋上から…」
 綾は声をくぐもらせ、両手で顔を覆った。
 「おいおい、泣くなよ。あんたはひょっとしてあそこから落っこちようとしてたのかよ」
 掛けぶとんのすそで涙をぬぐう少女。彼女は首を縦に動かした。
 「落ちれば地獄、これだけははっきりしてる。逃げることだからな。オレの世界では考えられんこった。そんで、“いじめ”ってのは何だ。わからねぇなあ」
 「特定の女子や男子をいろいろなことしてからかって遊ぶことよ。いじめているほうは楽しいのかもね」
 「…うう、許せんな。そうされる側にも原因はあるだろうが、やるのはもっと汚ねぇ。オレの世界じゃご法度よ、もっとも、そうなる前に決闘して決着をつけるんだがよ。……わかった、この身でどれだけのことができるかわかんないが、力になってやる」
ラベル:閻浮 人生の転機
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2009年08月28日

異界皇子 第3章  閻浮との出会い

 ミャア、ミュウ…。
 耳元で鳴る風の呼気にまじり、どこからか猫の鳴き声がする。
 すでに金網の外側に右脚をかけていた新中三少女に、それは「行くな」と、引き留めているように感じられた。飛び降りてしまう、同時に生命を失うことを。
 綾はほっぺたを林檎のように紅くしたまま、その場に硬直した。頭だけ動かして声の主を確かめようとする。
 それは次に思いがけない事態をひきおこした。がくん、と、身体が鉄棒の足掛け前回りの要領で向こう側に行ってしまった。逆さまになり、両腕だけが47キロの体重をささえる。
 1メートルほど下には、幅約30センチの赤茶色の縁があるものの、危険に変わりはない。それを踏みはずせば、16階ぶんの高さからまっさかさまだ。
 彼女には世界が逆転し、マンション屋上の床が上に見える。そこを虎縞の仔猫がしっぽをぴいんと下に立ててこちらに向かって来るではないか。
 ほっぺただけではない、綾は顔全体を紅潮させていた。
 「…た、助けて」
 涙声をふりしぼる。
 仔猫に救助を求めてもどうこうなるものでない。しかし、“おぼれる者、わらをもつかむ”なのだ。
 それは「ミュー」と、ひと声鳴いた。にもかかわらず、彼女には「しかたないなあ、目をつぶれ」と聞こえた。「まさか、ただの猫が…」と、疑心暗鬼になるまでもなく、綾はかたく両目を閉じていた。もう、助かりたい一心になっていた。
 春の陽が瞼ごしに深い赤に映っている間のことは、その後何度思い返してみてもわからない。しかし、事実は「助かった」   それだけである。
 とにかく、われに返ったとき、綾の両足はしっかりと屋上の縁を踏んでいて、世界は上下左右、正常に戻った。夢中で死の縁から金網をよじのぼり、もといた場所に帰る。
 虎縞の仔猫が、上目づかいにきょとんと見ている。綾は小さな、しかし大きな恩のできた猫を抱きあげ、渾身の力で抱きしめた。
 「い、痛え」
 ミャア、と鳴いただけと思ったが、彼女のどこかの脳中枢に仔猫の意思がはっきりと伝わってきた。どことなく荒削りで、ヤンキーのような口調だったが。
 綾はてっきり自分がドリトル先生のように、動物語のわかる女の子になったと思ったものだが、事実は異なる。
 時の壁を突破した霊体   すなわち閻浮は、吐駁王の粋な?! はからいにより、栄養失調で死にかけていた虎猫と魂を交換したのだった。憑り代など品定めしている余裕などなく、瞬間的に、自動的にそれは起きた。
 同類の獣の身体に入ったとはいえ、人間の誰かによって棄てられ、餓死に追いこまれようとしていたのだ。援(たす)けが必要なのはむしろこちらのほうだった。
 ずいぶんと低くなった視点から、まず見えたのはおかしな行動を取る人間の少女だった。しかたなく師匠・魅蕾から伝授された操心術を使い、援けてやった。しかし、ただそうしたのではない。虎縞の毛皮をもてあますほど仔猫は瘦せていた。
 「死んじまうぐらいハラがへってる、何でもいいから食わせてくれ」
 と伝えようとしたが、そうするまでもなかった。
 中身が「閻浮」という名のある仔猫は、白地のプラスチックに「中江」と書かれた横の扉から抱きしめられたまま人間の住居に入り、レンジで解凍されたニシンを一匹、またたく間にたいらげた。
ラベル:中江綾 虎猫
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2009年08月27日

異界皇子 第3章  追撃3

 「このあたりにおまえに適した憑り代(よりしろ)はない、移動するぞ」
 吐駁の意思が、大皿を虹の空間の中ですべらせていく。そして背後から危険が、音もなく接近してきていた。
 三機編隊の敵は三角隊形をかたちづくり、機体もまた三角形であった。それらの気配をふたりの獅子はほぼ同時に察知し、閻浮は後方を見た。
 先頭の敵機には、すでに剣をかまえた蜥蜴戦士が仁王立ちしていた。
 「あのやろう、生きていやがったか」
 ぼやく間もなく、そいつの機はあきれるほどの速度でこちらに向かってくる。残り2機も同様に。
 「逃げるぞ」
 強い王らしからぬ弁。磐船が急加速したので、若獅子は座席に強く押しつけられた。しかし、飛行性能はあちらのほうが上回っていた。たちどころに追いつかれ、焚風という名のある男の長大な剣が右側から閻浮をねらい、真横に旋回した。
 髪の毛一本の差でそれは空を切った。とっさに彼が身をかがめたからであった。
 「王様、操縦はまかせた!」
 きらりと光る視線を吐駁に送り、彼は座席から尻をはがす。重力はあるが、風がないからできた業だ。
 焚風を乗せた黒塗りの機はこちらを追い抜き、くるりとUターンして正面から向かってきた。すでに閻浮はサーベルをかまえている。
 「貴様は神聖な継承試合を冒瀆した。その罪は死で贖(あがな)ってもらうぞ」
 歯の浮くような口上は獅子ふたりの耳に充分にとどいている。
 「懲りねぇ奴だ」
 いまいましげに吐きすてる獣人・閻浮。
 相手は剣に碧い妖気をまとわりつかせている。妖剣と銀白色のサーベルは激突した。
 白い火花が咲いた。それを中点にし、双方が遠ざかる。結果、両者は無傷であった。しかし、次の瞬間、獅子のほうに損害が出た。生じた亀裂から、サーベルがまっぷたつになった。
 「ちっ」
 ずいぶんと背のひくくなった得物を彼は投げすてた。
 「振り切るぞ、座れ」
 その途端、「バリッ」と、衝撃音。両名は座席から船体後部を見た。
 左部分が大きくけずりとられており、その部分から白煙が尾を曳いていた。敵の一機から発射された熱線砲弾であった。影響は、すぐに船体の動揺になってあらわれた。ぐらぐらと左右に、シーソー状態になる。
 第二波攻撃、朱の矢が後方から数本ふりかかってくる。しかし動く標的だ、若獅子のすぐ右の至近距離を通過、たてがみが数本縮れたが、命中はしない。
 「王様、どうにかならねえか、武器は? 雷迅剣があるじゃねえか」
 泡を食う若者の問いかけも木の葉のように揺れる船体と同様、あえぎあえぎだ。
 「使えたら、とっくに使ってる」
 絶体絶命ではあったが、吐駁は何がしかの機会を見はからっているようだった。頭上には“時の壁”、そしてすぐ後方には敵編隊。磐船は急上昇した。
 「今だ、起(た)て!」
 閻浮は王の威光と権威によって立ちあがった。決してこちらに降ってこない流れに頸まで浸かる。と、その身体はすぐに籐の座席に復帰する。大きく見開かれた隻眼に、もはや彼の魂の炎はない。
 それを見届けた操縦士・吐駁は後方をちらと見やる。目と鼻の距離だった。意識を集中した   
 焚風は妖剣を振りかぶり、どちらにでも食らいつくつもりだった。
 しかし、その念願は打ち砕かれた。友軍らも目前の敵に何が生じたのかわからず、あわてて周囲に目をくばる。
 そして焚風は発見した。   黒いシミのようなものが、虹色の空間をどこまでも落下していくのを。
ラベル:焚風 磐船
posted by はむじの書斎 at 20:48| Comment(0) | エンタメ・小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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